梶内昌史さん
小矢部を選んだのは自分が理想とした里山暮らしがここでできると思ったから。
Profile
梶内 昌史 さん(かじうち まさし)神奈川県出身
移住年令和5年 職業 地域おこし協力隊
神奈川県で生まれ育ち、自然に近いところでの暮らしに憧れをもっていた梶内さん。移住先を探す中で、小矢部市内山を訪れ、小矢部市での生活のイメージが自然に湧き、移住を決意。現在は、地域おこし協力隊として農業研修を受けながら、耕作放棄田の再生や家の修繕を行っている。
なぜ小矢部市の内山に移住することを決めたのですか?
移住先を探す中で、今住んでいる伝統的な様式の家を残したいと思ったことと、集落に魅力を感じて、ここだったら自分たちが理想とする生活を送れるのではないかと思い移住を決めました。
奥様も同じ考えだったのですか?
そうですね。色んなところを見て回りお互いにピンときたというか、具体的な生活のイメージが湧いたと言っていましたね。
神奈川県横浜市から、小矢部市内山への移住に不安はなかったのですか?
僕自身、自然とか、古い家とかそういうものにすごく興味があったので、ゆくゆくは里山での暮らしがしたいと考えていました。妻も、農業を中心とした暮らしに関心があって不安はあまり感じていなかったです。
移住を決めてから、地域おこし協力隊の道を選ばれたのですか?
正直に言うと、僕も妻もフリーランス(個人事業主)として仕事をしてきてたので、どこでも仕事ができるなと思ってました。仕事のことより、先に移住を決めました。移住前に定住支援課に移住の相談に行ったときに、地域おこし協力隊を提案され、1つの選択肢として考え始めました。そのあと、僕がやりたいこと、思っていることをお伝えして、いろいろ調整もしていただいて、その上で地域おこし協力隊として活動することになりました。
現在の活動内容を教えてください。
今は、農業法人で農業研修を受けながら、農業を中心とした起業を目標として活動しています。あとは、家の修繕ですね。家の修繕は、空き家や限界集落の問題とか本当に住む人や働き手がいなくなっている集落の問題解決に繋がると思っています。去年、耕作放棄田を自分で草刈りから行い、今年から田んぼを始めました。家は廃材なども利用しながら、土壁や漆喰などの天然素材をなるべく使って自分たちの手で進めています。なかなか進みが悪いですが、学ぶことも多いです。
移住されてよかったことを教えてください。
四季を感じられて、それぞれの季節を楽しんでます。また、月の満ち欠けがとてもよく分かるのが気に入ってます。満月は影ができるほど明るく新月はほんとうに暗い、その分星がよく見えます。田んぼも農薬を使わないでやっていますが、そうすると、いろんな生き物がいっぱいいるなぁということをすごく感じます。あとは、集落のおばあちゃん達が、いろんな野菜を持ってきてくれたり、集落の区長さんから集落の歴史を教えていただいたり、人間も含めた良い環境の中に、身を置かせていただいてるなということをすごく感じてます。
移住されて、苦労されたことはありますか。
苦労したことはたくさんありますが、その苦労を楽しんできた部分もあります。まず、僕の集落は、水道が通っていないので山水を利用してるんですけど、水源から250mほど水道用の管を埋設しながら水を引きました。 水がなかなか安定せず、何度も手を加えて最近やっと安定してきました。田舎の暮らしは思っていたよりやることが多くていろんな事がなかなか進みません。今もまだ半分キャンプみたいな生活です。あとは、冬。移住前に来た冬に座敷にテントを張って過ごしたりもしました。
田舎だと、都会に比べて地域の繋がりが強く、都会の人は、それが苦手な人もいると思いますが、梶内さんは、そのあたりどうお考えですか。
戸惑うことも正直ありましたし、登場人物が多くて、すごく距離感が近い。僕とその人の関係だけじゃない。いろんな関係性があって戸惑うことは今もあります。不安になるようなこともあります。
ただ、集落の隣のおばあちゃんにいつもお世話になっていてるんですけど、そのおばあちゃんとか集落の方々の存在は大きいですね。この集落にして良かったと感じています。
ただ、集落の隣のおばあちゃんにいつもお世話になっていてるんですけど、そのおばあちゃんとか集落の方々の存在は大きいですね。この集落にして良かったと感じています。
今後の目標はありますか?
まずは米作りと家ですね。僕らが移住した集落が、小矢部市の中でも有名な米どころだというふうに聞いているので、やっぱりおいしい米を作りたい。集落のおばあちゃんたちに内山の米ってやっぱりおいしいねと言ってもらいたいです。集落の皆さんは米作りが好きで、年を重ねてできなくなってるけど、米づくりを、内山の1つの誇りのように感じるので、 そのおばあちゃん達がおいしいねって言ってくれる米を作りたいな。
生活の拠点としての家を早くまともに暮らせるようにしたいと思っています。田んぼに時間を取られてなかなか進まなかったので、冬仕事として家の中を進めれればと思っています。また、米を干す「はさ」や雪囲いに竹を使っているんですが、竹を使うことでの竹林の整備が、たけのこの収穫や獣害対策につながる。最後は竹炭なんかが理想的ですが。そんな感じで、集落全体が良くなっていけば良いなと思っています。今年の1%事業でも竹を切って土留めを作ってみました。もう一つは、特に若い人や子どもたちに、農業や里山の暮らしを体験してもらいたいと思っています。子どもの頃の体験って結構大きくて、ずっと心に残るものだと思うので。移住者の僕が言うのも変かもしれないけど、自分の故郷って良いところなんだなと体で感じてもらいたいですね。人が集まると集落も元気になるし、僕ら自身も楽しく生活できるんじゃないかな。
最後に、小矢部市へ移住を考えてる方に一言お願いします。
僕が住んでいる場所は、小矢部市の中でも山の方なので、都会を離れて里山暮らしをしたいという方に、お勧めできるような場所です。小矢部市内には獅子舞やあんどんなどの伝統的な地域の行事や、繋がりがしっかり残っているところも多く、ぜひそういうものに参加していただきたいなって思います。それと、一見何もないような市に感じますけど、実はそうやって見てくといっぱい宝物があるので、そういうのを見つけながら過ごすと、すごくいろんなものが見えてくると思うし、いろんな人に出会えるかなぁと思います。