松本恭輔さん

若い人たちがここで何かしようって、一緒に盛り上げていけるような環境づくりをしていきたい。

写真:松本恭輔さん1

Profile

松本 恭輔 さん(まつもと きょうすけ)小矢部市出身

移住歴2年 職業カフェ経営

名古屋市から、地元の小矢部市に戻ってきた松本さんはふらっと立ち寄ったつもりから1年後の2020年12月にFractal caf é(フラクタルカフェ)をオープン、名物のダルゴナコーヒーとクレープをメインに提供している。

小中高とサッカー漬けの毎日だったそうで、専門学校時代、名古屋グランパスの大ファンだった松本さんは「毎日のようにサッカーを観る生活がしたい」と、卒業寸前で名古屋へ移住してしまう。
名古屋に住んでからは優先順位が変わってしまい、観戦は年に1,2回に減ったそうだが、スターバックスのバリスタ時代に出会った常連客が、松本さんの人生を変えるきっかけになっていく。

「ビジネス街に店があったので、社長だったり起業家だったり、そんな方が多かったんです。やりたいことが何なのか、明確にしてもらえました」。

写真:松本恭輔さん2


松本さんの夢は、小矢部市にフットサルコートを建てること。その夢を現実にするための手段をたくさんの人から教えてもらい、ますます仕事に没頭した。もっと日本を見てみたくなり、日本一周をするため小矢部の実家に荷物を置きに戻ってきてまもなく、新型コロナウイルスの感染が広がり始めた。

「日本一周のタイミングを逃してしまい、しばらく小矢部に居るうちに、ごはんや空気がものすごく美味しいって改めて気づいてしまったんです。仕事はどこにいてもできる。だったらごはんとか空気とか美味しい場所に身を置いていたほうがいいなって」。

名古屋では、名古屋駅のすぐ近くに住んでいたこともあり、一日中車の騒音と排気ガスにまみれていた。暮らしているときは気づかなかったが、小矢部に戻ってきて違いを感じたそうだ。
それからほどなくして韓国でブームとなっていたダルゴナコーヒーを知り、小矢部で挑戦してみることに。

「おうち時間が長くなったことで需要が高まっていました。逆にやるなら今かなって」。

小矢部市内の飲食店の駐車スペースで店頭販売を開始すると、昔馴染みの友達が駆け付け、口コミで広がり、新たな人との出会いも増えていった。かねてから温めていたカフェ出店の思いと、お店を出してほしいという声の後押しでスムーズに進んでいたが、物件の段階で行き詰る。

写真:フラクタルカフェ

写真:クレープ生地


そんなとき、学生時代によく通っていた「クレープアミ」の店主からの連絡で一気に話が進み、カフェオープンに至った。

「32年の歴史があるクレープアミを引き継ぐのはプレッシャーもありましたが、店主がずっと作り続けてきたクレープをこれからも残したいという思いが強かったんです」。
「カフェを拠点に人と人が出会って笑顔になって幸せになれたらいいなというのがあるんですけど、もうひとつ、いろんな刺激を与え合いながら自分もがんばろうって思える人がひとりでも増えたらいいなって思うんです」

と松本さん。

「小矢部って居心地がいいんですよね。名古屋に3年暮らして思うことは、都市部じゃないとできないことにこだわらないなら、ごはんも空気も美味しい、心が整った状態で生活できる場所に住んだほうがいい。小矢部なら関西や関東へも3時間弱で行けるし、何もないわけじゃない。程良い場所かなって思いますね」。

たしかに北陸新幹線の開通で移動がかなり便利になったし、高速インターが近いため車のアクセスも良好だ。

「人口密度が少ない分、人との出会いは多いわけではないです。いつでも連絡を取れる相談相手がいるとこっちの生活がより充実したものになると思いますね。あとは何か新しいことをやろうと思っても、チャレンジできる土壌が育っていないような気がします」。

カフェオープンに向けてクラウドファンディングで資金を募るなど、新たな試みに挑戦してきたからこそ、自分のように若い人がどんどんチャレンジしていけるような環境づくりが街の活性化に必要なのだと実感している。

「フットサルコートを建てることは個人としての第一の目標ですが、若い人ががんばれるように、結果を残していけるよう毎日できることは全力でやっていきたいと思っています」。

そう話す松本さんのまなざしは生き生きと力強く、真っ直ぐ前を見つめていた。

写真:松本恭輔さん3

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