福田晃さん

家を建てるとき迷わず小矢部を選んだのは人の温かさと人柄の良さに惹かれたから。

写真:福田晃さん1

Profile

福田 晃 さん(ふくだ こう)石川県出身

移住歴4年 職業大学教員

石川県金沢市で生まれ育ち、大学では教育学を専攻し、さらに高度な専門性を身に付けるため大学院に進学した福田さん。
石川県の小学校教員として数年勤務した後、現在は大学教員として小学生たちに教育や指導を行っている。

教師を目指したきっかけは高校時代。

「進学コースだったんですけど勉強してなくて全然ダメだったときがあって…しっかり勉強せぇよってしこたま付き合ってくださった先生がいたんです」。

写真:福田晃さん2


道を変えようかと思ったこともあったそうだが、高校時代の恩師への思いを胸に教育の道に戻った今では、企業との共同研究や執筆依頼、TVの教育番組のコンテンツに携わるなど幅広く活動している。そんな福田さんの小矢部市との接点は妻の実家から始まった。

「妻とは大学院時代に知り合ったのですが地元が小矢部でした。今まで富山には数回行ったことがある程度で、そのとき初めて小矢部市を知りましたね」。

付き合っている頃から頻繁に妻の実家に遊びに行っていたそうだが、結婚が決まり、家を建てる段階になったとき、迷わず小矢部を選んだ。自分の実家や通勤時間を考えて金沢という選択肢はなかったのだろうか?

「妻の実家の近くのほうが、将来的に子どもが生まれたときに何かと都合が良いということもありましたが、食事をしたりいろいろなところに連れて行ってもらう中で、小矢部は温かい人が多いと感じていました」。

その印象は移住してからも変わらない。むしろ住んでからのほうが人とのつながりを実感しているようだ。

今の暮らしと金沢に住んでいたときの暮らしを比較して変わったことを聞くと、

「結婚前から妻の実家にはよく遊びに行っていましたが、今ではさらに頻繁に行くようになりましたね。自分の実家は月に1回程度で、仕事が遅くなったときに泊まったりしています」

と笑う。
また、福田さんは自分の実家の環境と似ているようで大きく違うことに驚いたそうだ。

「こっちに越してからは、近所の方から野菜をもらったり手作りのジャムをもらったり…僕の実家もこちらと同じような住宅街ですが、近所付き合いが淡泊というか、あまりなかったので嬉しいですね。あとは、お祭りが盛んな地域で、獅子舞の大きな祭りが年に1度あるんですけど、本当に感動します。誇るべき文化だと思いますね」

と、熱く語る。

写真:おやべの獅子舞祭

おやべの獅子舞祭(石動天神獅子舞まつり)は、400年もの昔に始まる伝統のある祭りだ。その祭りに、代々守り続けてきた地元の人たちと一緒に参加できることは貴重な体験のようだ。

「こっちに来て間もないですし、地元の人からみたらよそ者の自分に対しても、これやらんか?と気軽に声かけてくれるんです。すごく有難いですね」

福田さんのように、自分の地元から近い土地に移住することは、今までの生活との変化が少なく、移住後の暮らしのイメージもつきやすいのでおすすめだという。移住には、清水の舞台から飛び降りるような大きな決断が必要な気がしてしまうが、飛び降りずに足元を少しだけ横にスライドするような、近県などの近場での移住ならハードルも低い。

「僕の場合は移住前から人の雰囲気や人柄などが何となくわかっていたので、小矢部に移住することに抵抗がありませんでした」

と話す福田さんの表情から、移住後の暮らしに満足している様子が伺える。金沢の頃より通勤までの時間がかかるようになったことも、デメリットとは考えずに有効に活用しているそうで、初の単著となる教育関連の書籍出版に向けて執筆活動に励んでいる。

写真:福田晃さん3

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